青色LEDの開発がもたらしたものとは


LEDは1960年代に赤が発明されていました。緑も現実化したが、青色は開発が遅くなった。様々な色の光を構築できる「光の3原色」がそろわず、「20世紀中の現実化は困難」とまでいわれていました。LEDは電気を流すと発光する半導体の一つで、既存の光源には真似できない秀逸な優れた点を持っています。LEDはLight Emitting Diode”の頭文字をとったもの。

不可能といわれたハードルを破ったのが赤崎氏と天野氏の両氏。しかしながらクオリティーの高い青色LEDの材料を作りあげるのが極めて困難で、世界中の企業が挑んでもなかなか実現しませんでした。しかし両氏は「窒化ガリウム」という材料を使い、明るい青色を放出するのに成功しました。窒化ガリウムは、青色LEDの材料の選択肢の中でも、結晶を作りあげるのが困難なものでした。基本的な窒化ガリウムの作り方は、まずガス状の原料を、サファイアの基板の上に降り積もらせ、1千度ほどの高温で結晶化させます。しかしながら、サファイアと窒化ガリウムは、結晶の中の原子の間隔を表す格子定数が16%も違うんです。理論上はこの格子定数の差は1%でも結晶はうまくつくれません。例えるならば木に竹をつなぐようなもの。また、窒化ガリウムはダイヤモンドと同じぐらい硬く加工は非常に難しいものです。

しかしあるとき奇跡が起きました。たまたまこの日は電気炉の調子が悪く、炉の中の温度が上がらなかったのです。これが奇跡を生み出しました。低温でできた層の上に、通常の1千度で窒化ガリウムを成長させると、きれいな結晶が完成。純粋すぎてあまりに無色透明だったので、材料を流し忘れたと思ったそうです。これが起こったのは1985年のことです。

ついにこれでLEDの光の3原色をそろえることに成功し、LEDによるフルカラー表示が可能になりました。電気をダイレクトに光に変えるLEDはエネルギーロスが少なく、大型のディスプレイや信号機は、色が鮮明なために日光が直接当たっても、くっきりと見えるのが最大の特長です。3原色をそろえることに成功した結果、白いLEDの開発にもつながり、現在では家庭用の照明やスマートフォンの画面のバックライトなどに採用されています。ちなみに光の波長は450nm前後が青色、520nm前後が緑色、660nm前後が赤色に見えます。この波長の相違が、LEDの発光色を決定しています。白色光は2色以上の光を組み合わせて、白色に見せる技術をとりますが、補色を混色するより、赤、青、緑の3原色を混色したほうが、より自然な白色に見えます。

また、青色の光は波長が短く、デジタルデータの書き込みに使えば大容量化できます。中村氏は青色LEDの後に青色レーザーの基盤技術を考案した。ブルーレイ・ディスクのデータの書き込みに青色レーザーが使われているように、大容量の光ディスク現実化につながりました。

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