サルにもわかる民法解説 任意規定と私的自治・公序良俗


民法解説

民法の条文は基本的には、任意規定となっています。

任意規定とは、当事者で特別な約束(特約)があれば、

排除しても構わないというルールです。

例えば、土地の所有権移転が移る時点についてのルールが典型的です。

土地の売買であれば、民法第555条と第176条によって、

契約をした瞬間に(代金の支払いなどがなくとも)

売主から買主に所有権が移ります。

しかし、民法第555条と第176条のルールを

そのまま使う土地取引はまずありません。

契約書に「土地の所有権移転時期は代金支払い時期とする」

「登記移転時期(名義書換の時点)とする」などと書かれるのが、

取引の常識となっています。

これは、民法の条文違反ですが、構わないのです。

それは民法第91条に 「法律行為の当事者が法令中の

公の秩序に関しない規定と異なる意思を表示したときは、その意思に従う。」

と書かれており、民法のルールと違う約束をしても、

「公の秩序」に反しない約束なら有効になります。

このように当事者の意思で排除することができる

ルールが任意規定と呼ばれます。

売買の所有権移転時期についてのルールが

もっとも一般的ですが、他にもいろいろなものがあります。

このようにして民法に関しては、「法律のルールよりも

当事者が納得して契約書で決めたルールの方が優先する」

という原則、「私的自治の原則」が通用します。

自分たちのルールは自分たちで決めるという

「私的自治の原則」は極めて重要です。

民法・商法・民事訴訟法など民事法を学んでいくに

あたってどこでも常につきまといます。

(逆に刑法や刑事訴訟法では基本的に通用しません。当事者が殺人を犯罪とならないと決めたとしても、そのようなルールは成立しません)

では、契約書で書けば民事法ならなんでも

有効かというとそうではありません。

民法は、第90条で「公の秩序又は善良の風俗に反する

事項を目的とする法律行為は、無効とする。」と定めます。

この意味については次の記事で述べます。

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